会長挨拶

「コロナ禍における生活・総合の推進」

全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会
会 長  齋 藤  等
(東京都渋谷区立神南小学校長)
本年度は、新学習指導要領の全面実施の年であり、本来ならば、生活と総合的な学習の時間の更なる充実によって、「主体的・対話的で、深い学び」などの授業改善が進むことが期待されていました。
しかし、コロナ禍による臨時休業や分散登校をはじめ、学校再開後も授業や学校生活には様々な制約や配慮が必要となりました。とりわけ地域の探検や探究活動、学校内外の人との触れ合いなど、直接の体験や活動を大切にする生活・総合にとっては、これまで積み上げてきた学習活動がやりにくい困難な状況となり、現在もそれが続いています。このような中ですが、全国の各学校では、見かけは例年と違っていても、生活・総合の本来の趣旨を生かした学習活動を工夫し推進しており、そうした情報発信には頼もしさを感じます。
コロナ禍のマイナス面は多々ありますが、学校のICT環境が整備され、児童のICT利活用と教員同士の情報交換やオンライン研修会などが前進したというプラス面も感じた一年でした。
さて、こうした状況の中、本研究協議会の全国大会(千葉大会)は、関係者の皆様のご尽力により、初のオンライン大会として、11月13日に500名を超える参加者による開催となりました。当初予定していた公開授業は残念ながら実施できませんでしたが、田村先生、渋谷先生、加藤先生によるシンポジウムや課題別分科会における全国各地の先生方による活発な意見交換や情報発信等の様子から、コロナ禍における生活・総合を更に推進していこうとする思いを強くしたことと存じます。
また、夕刻からの全国理事会もオンラインで開催しました。7月に実施できずに紙上開催とした第1回全国理事会の議事内容の再確認を行ったほか、本年度開催地の小山校長からの謝辞や次年度開催地の大阪市の池田校長からの挨拶をお伝えできました。各地方ブロック大会も本年度は中止や紙上開催となりましたが、令和4年度の開催日程なども確認でき、前に進めました。しかし、現段階ではコロナ禍の状況が不透明ですので、次年度の大阪大会は、集合型とオンライン開催の両方の準備を進めていただいているところです。
引き続き、本研究協議会の皆様が連携・協力し、生活科・総合的な学習の時間を中心とした教育活動の充実に力を注ぎ、未来に生きる子供たちの資質・能力の育成に向け、共に頑張ってまいりましょう。よろしくお願いいたします。